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2020年に見聞きしたものとか(本編)

Sun Feb 28 2021

1月末に前振りだけ書いたやつの本編です。
あらすじをペラペラ喋ったりするわけじゃないけどネタバレの配慮とかはしてないのでご了承ください。

マンガ

前振りがマンガだったのでとりあえずマンガについて書くけど、前振りの通り2020年は新しく読んだマンガが少ない。というか2020年刊行のマンガで買ったやつ一冊だけかもしれん。
その一冊は『雑な生活』で、これはめちゃくちゃ良かった。単行本発売直前あたりにTwitterで何話か回ってきて面白かったのでKindle版を買い、めちゃくちゃ良かったので紙の単行本も買った。Twitterで何話か読んだ範囲では雑な生活あるあるにひたすら共感していたんだけど、単行本で通して読むと雑な主人公とツッコミ役のしっかりした友人、2人の生活の交差が最高だった。一回目の緊急事態宣言で全力引きこもり生活を満喫中だったのもあって余計に刺さったんだと思う。特に「スーパーと生活」っていう宅飲みの途中で買い出しに行く話がハチャメチャに良かった。雑な生活、というタイトルではあるけど別に雑じゃない人にも面白いはず、たぶん。noteとかコミックウォーカーとかTwitterとか、色んな所に無料公開分が転がってるので大部分は無料で読める。
雑な生活の他には人から借りて読んだ『女の園の星』はかなり面白かったけどなんか色々受賞してるしここで紹介することは何もないな。。。。もうすぐ2巻が出るらしい。楽しみですね。

去年新しく出たやつじゃなくて完結したやつでいうと『ザ・ファブル』は最後まで安定して面白かった(正確には完結じゃなくて第1部完)。ただ、第1部きれいにまとめてたけど、ちょっと力技に感じたかなぁ。ネットのどこかで殺し屋版よつばと!としてオススメされてたけどこのマンガの魅力はその一言に凝縮されてると思う。
アニメにもなってた『かくしごと』はアニメ化前から単行本で追ってたんだけど、アニメの最終話とは別の締めが用意されていてボロボロに泣いた。アニメの最終話見た時もボロボロ泣いてたけど原作の方が好みだったな、アニメはちょっと自分の好みだとクサ過ぎるところもあったので。。。久米田作品は絶望先生、改蔵、じょしらくのアニメは見てて改蔵の新装版を揃えようとするも6巻ぐらいで止まっちゃったぐらいのライトなファンだったんだけど、かくしごとは久米田作品定番のあるあるネタと、メインストーリー(と言って良いのかわかんないけど)の塩梅が良くて、あとは姫ちゃんがとにかく可愛いので1巻から毎回単行本出るのが楽しみだった。

映画

去年は映画を何本か見た。
ぼくはこれまでの人生映画を全然見てなくて、映画館には両手の指で足りるぐらいしか行ったことがないし金曜ロードショーやサブスク見放題サービスで見るのも一部のアニメ映画のみだった。これは単に映画、というか実写のフィクションを見る習慣が幼少期に身につかなかったからで、家族で映画館に行ったのはたぶん一回のみ、テレビもドラマは全く見ずにバラエティばっかりの家庭だった。中学生以降も3年に一回とかそれ以下の頻度でしか映画館には行ってない。
大学生にもなると周りに映画大好き人間がたくさんいたり、図書館みたいな施設で結構な範囲の映画がタダで見放題だったので空きコマは全部そこで過ごしてるやつが居たりして、そういう人々に囲まれてると映画というデカすぎるジャンルを丸ごと捨ててるのはマジでもったいない、自分もちょっとずつ見よう、という気になるんだけど、そういう気になっただけで結局全然見なかった。
前職は文化・コンテンツを扱う業種だったので学生時代の比でなく映画の話題は耳に入るし同僚たちも(特段映画好きというわけでなく)当たり前に映画を見る人たちだったので、この会社で働いてるんだから教養として最低限のものは見なきゃ、みんな面白いっつってるんだから面白いんだろうし、と常に焦りと劣等感を抱いてたんだけど、そもそもこの会社にいるとコンテンツを楽しむ時間と気力が消えていって元々好きなコンテンツも追いかけられなくなったので、自分にとって新ジャンルの映画に手を出すのは当然無理だった。
前職やめて一年も経つと色々回復して、去年はついに映画を何本か見ることができました。

前振りがなげえ!前振りは前回やったはずでは???

まず去年最初に見にいったのはロング・ウェイ・ノース。前々から色んな人が褒めてるのを目にしていて、舞台が極地というのもあって気になっていた。
アニメーションの技法についてはよく分からんけど終始美しかったし極地、特に氷山の描写は真に迫るものがあった。美しさと恐ろしさが同居する感じが良く出てたと思う。植村直己の北極圏1万2000キロが好きで何回も読んでるので、食料が尽きかけて隊員たちが喧嘩し始めたあたりは、ああ、犬食べちゃうんだろうな…いつ食べられるんだろ……つらい……と1人でハラハラしてたけどそこまでシビアな話ではなかった。(誤解の無いよう補足しておくと植村直己も犬は食べてません。)

あとは緊急事態宣言開けてしばらくした頃からちょこちょこ映画を見たんだけど、主に9月のTENET公開に向けてのノーラン作品再上映を見てた。去年はCOVID-19の影響でノーラン作品以外でも過去の名作がたくさん再上映されてたのでこれまで映画をほぼ見てこなかった人間にはありがたかったな(というほど見てないけど)。映画館で見たのはダークナイト、インセプション、インターステラーで、バットマン ビギンズとダークナイト ライジングはNetflixで見た。全部面白かったし良かった。
一番好きだったのはインターステラーで、ボロボロに泣いた。善人で模範的な父親で激昂することがあっても冷静さを取り戻して的確に最善の行動をとる、なかなかにパーフェクトな主人公が、あの空間に閉じ込められてあの日あの時を目の前にしたとき、何の思索も迷いもなく必死になってSTAYと伝えたのが良かった。ボロボロ泣いた。ボロボロ泣いたし、「愛が観測可能であるならば…」っていうトンデモみたいな話を理屈をこねるでもなく納得させられてすげえなぁってなった。

満を持して見たTENETは冒頭で主人公が「考えるな、感じろ」と言われてたので考えずに見てたら最後の場面で見事に置いてけぼりを食らい、初めて映画館に2回見に行くやつをした。2回目見たらちゃんと筋が分かったんだけど、感想は1回目に見たときとあんまり変わんなかった。アクションは面白いし逆行の表現や構造はインセプションの夢、インターステラーのブラックホールや高次元空間と同じで面白かったけど、逆に言うとそれだけだなぁって感じ。今敏の千年女優を観た時も場面転換や表現がめっっっちゃ見事だけどその技工を見せつけられただけ…って印象だったんだけど、それと同じ(色んな人に怒られそう)。インセプションもインターステラーも、めっちゃ雑に言うとエモい要素とオタク要素があってそのまざり方がいい具合だと思ってたんだけど、TENETはオタク向け、表現や構造の面白さに全振りしたんだなって。

そういえば映画をあまり見なかった理由の一つに、むかし金曜ロードショーかなんかでアルマゲドンを見たらハチャメチャに疲れて、家のリビングの小さいブラウン管で見てこんなに消耗するんだから映画館で映画見たらやべえだろうなって思ってたのがあるんだけど、去年実際いくつか見たらそこまで消耗はしなかった。そして一番疲れたのがインターステラーだったので、単に宇宙が舞台だと息苦しくて疲れるんだなという結論になった。

音楽

もう書くの疲れてきたし音楽は色々聞いてたからざっくり書くけど、去年自分の中ででかかったのはSpotifyを使い始めたことと、Music Unity 2020っていうDJ配信フェス?がめちゃくちゃ楽しくて中でもin the blue shirtのライブが最高だったこと、の2つかな。

音楽聴き放題サービスはApple Musicの開始時から関心はあったんだけど、CDでもデータでもなるべく購入して所有しておきたかったし、Apple Musicサービス開始当初は既存のiTunesライブラリとごっちゃごちゃになるとかいい話を聞かなかったので避け、それ以降もその後どうなったんだろうということを調べるのが億劫で避け続けてた。最近は色んなアーティストが一括でサブスクに曲を登録するから大抵YouTubeにも上がってて合法的にタダで聞けるし(アーティスト名 - Topicというチャンネル名になってるやつ)。
とはいえサブスクサービス全く使ってないのもなあと思ってSpotifyを無料でちょっと使ってみたら、快適だしSoundCloudみたいに指定した曲とかアルバム聞き終わると勝手にいい感じに似てる曲を流してくれて、その精度がなかなか良かったのですぐに課金した。音楽聴き放題サービスって選択肢がいくつかあるけど、Apple Musicは上に書いた理由であんま触りたくなかったし、何のサービスにしてもGoogle, Apple, Amazon, Microsoftとかの巨大企業がやってるやつより一つのサービスで頑張ってるところとか先駆者的なサービスを使いたいと思ってるのでSpotifyを選んだ。
Spotify使い始めてもうちょいで一年になるけど、まじで課金してよかった。COVID-19の影響で自宅作業率が上がったのもあって結構な時間使ってる。ここ数年でラジオをほとんど聞かなくなり、タワレコでひたすら試聴するみたいなこともグッと減ったせいで新しい音楽、アーティストへの出会いが減っちゃってたんだけど、Spotifyはほんといい感じに自分の気に入りそうな曲を流してくれるから助かる。年末にその一年のまとめみたいなのつくってくれたのも良かった。ぼくが去年一番聞いた曲は楽しい蹴伸びらしい。ちなみにSpotify外まで広げると去年一番聞いたのはbandcampで買ったKARAOKE PIRATES FEAT イるREメKARAOKE PIRATES FEAT LRME - S.T.だと思う。2011年リリースらしいので全然去年の曲じゃないんだけど。。。。

MU2020はTwitterですごい話題になってたから気になって見てたんだけど、in the blue shirtのパフォーマンスはほんと最高だった。名前よく見るなーぐらいにしか知らなかったんだけどこのライブで一気にハマってしまった。ほんと楽しくなるしワクワクするのでみんな見てほしい。このライブはin the blue shirtの人が何人かに声かけてつくったトマソンスタジオっていう場所から配信してるんだけど、このトマソンスタジオをつくってる過程がYouTubeに上がっててこれがめっっっっちゃ楽しそうですげえ良い。ぼくもこういうことやりたい。
ここのYouTubeチャンネルにはここから配信したイベントのアーカイブとか収録したライブも上がってて、それでゆnovationっていう人をはじめて知ったんだけど、このライブもすごいカッコよくて曲も好みなのでよく聞いてる。興味をもったチャンネル、場所をきっかけに新しく好きなものに出会えるっていうのが、すごく良い。今後どうなってくのか分かんないけど応援してます。


最後にひとことなんか書いて締めようと思ってたけど日付変わって3月に入っちゃったし疲れたので終わります!あとで修正追記するかも。しないかも。

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