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コーヒーをいれるのが好き

Thu Jul 29 2021

紅茶派かコーヒー派かと聞かれたら、大学生ぐらいまでは紅茶派だった。ただどちらか選べと言われたらという程度で、どっちも好きだしコーヒーもよく飲んでいた。今も昔もどっちも詳しくないし。
ただ、家で飲む場合、コーヒーはインスタントだけど、紅茶は一応ティーポットを持っていたので茶葉からいれることができた。

なんとなく紅茶が好きになったきっかけはハリー・ポッターの二次創作小説だったと思う。
小学生から高校生にかけてハリー・ポッターにどハマリしていて、静山社がやってる友の会にも入っていた。ぐぐったら今もあるみたいだけどこれが当時入っていたものと連続しているのか、どこかでリニューアルされたのか分からない。当然会員番号も覚えていない。実家に眠っている当時のパソコンがもしまだ起動できれば発掘できるかもしれないが…。この友の会は作中と同じ 4 つの寮に振り分けられ(ぼくはレイブンクローだった)、寮ごとにメーリングリストがあった。人生で初めて体験したメーリングリストだったかもしれない。
もしかしたら他のファンサイトと記憶がごっちゃになってるかもしれないけど、たしかこの友の会には二次創作の小説を投稿する場所があった。いまでも記憶に残っているのが 2 つあって、一つはキングス・クロス駅に住み着いているホームレスのモノローグで変な奴ら(9 と 4 分の 3 番線に消えていく魔法使いたち)を描いたやつで(これだけ異様にクオリティが高かった気がする)、もう一つがリリーがジェームズに紅茶をいれてあげる話。紅茶なんて魔法でいれればいいじゃんというジェームズに対して、そんなことないよとリリーが丁寧に紅茶をいれて一緒に飲む、というあらすじだったと思う。(当時は 4 巻か 5 巻までしか出てなかったから、学生時代のジェームズがイキリ陽キャでリリーと仲が悪いっていう設定は知られてなかった。)これに憧れて高校生のときにティーポットを買ったんじゃなかったかな。
真っ白のポットで、初めて自分で買った食器でもあり気に入ってるので上京したときも一緒に持ってきた。ただ、茶葉からポットで紅茶をいれるのはなかなか面倒くさく、その面倒くさいのを丁寧にやる描写に憧れてたはずなんだけど、めったに使わなくなってしまった。

コーヒーをインスタントでなく豆をひいていれるようになったのは大学院の 2 年目だったと思う。大学のすぐ近くにおしゃれなコーヒー豆焙煎屋さんができて、試しに一杯飲みに行ったらかなり美味しかった。その頃コンビニの 100 円コーヒーをよく飲んでいて、豆をひくとこんなにいい匂いがするんだ、いつか自分で豆挽いてコーヒーいれるようになりたいな〜と憧れていたので、いいきっかけだと思い通い始めたのだった。
豆を挽いてコーヒーをいれるにはいくつか器具が必要になる。コーヒーっていれかたが色々あるけど、一番メジャーなドリップ式ならコーヒー豆を挽くためのミルと、ドリッパーと、お湯をちょろちょろ注ぐための口が細くてにゅってなってるケトルの 3 つが必要になる。全部を一気に揃えるのはしんどいので、後輩を誘い、ぼくがミルを、後輩がドリッパーとケトルを買って共用することにした。色んな豆を試してみたかったので豆も共同購入して割勘にした。その様子を見た教授がいいね〜!私も便乗したい!と言い出し、コーヒーをいれるためにちょくちょく学生の居室に来るようになったりもした。それまで雑談する機会があんまなかったのできっかけ作りができてちょっと嬉しかったな。
やっぱり豆を挽くとめちゃくちゃいい匂いがするし、味は詳しいことは分かんないけど美味しいしで毎日必ず 1, 2 杯飲むようになった。なかなかに高い豆なんだけど、コンビニでコーヒー買うよりは安いし……と自分に言い聞かせていた。

そういう経緯だったのでミルは卒業とともに研究室にそのまま寄贈した。後輩もケトルとドリッパーはそのまま置いていったらしい。まあそうなるわな。
手元に器具がなくなったから社会人になってしばらくはコーヒー飲んでなかったんだけど、4 月の研修中 8 時間とか 9 時間とかちゃんと寝てるのに毎日めちゃくちゃ眠くて、もしかして気づかないうちにカフェイン中毒になっててコーヒー飲まないとだめになってるのか…?となって 5 月には器具を買い揃えてまた毎日飲むようになった。こないだ 1 週間コーヒー断ちしても平気だったし、実際には慣れない環境で疲れてたのと研修がつまらなかっただけな気がする。
どうせならドリップじゃないいれ方にしようと思い、フレンチプレスを買った。ドリップの場合はドリッパー+ケトルが必要になるけど、フレンチプレスならケトルはなしでフレンチプレスだけ買えば良い。それに出勤前の時間が無いなかでいれることを考えると、蒸らしてちょろちょろお湯を注いで…なんてやってられん(と言いつつ豆は挽くんだけど)。結局朝はどんどん起きるのが遅くなってギリギリを攻めるようになり、コーヒーどころか朝食も食べなくなってったな…。
学生時代はド定番(多分)のポーレックスのミルを使っててかなり使いやすかったんだけど、どうせなら別のにするかと思いHARIO のちょっと変わったやつを買ってみた。これは完全に失敗だった。まず、ハンドルを外してしまえるからコンパクトになるんだけど、毎日使うので外すことがほぼない。そして挽く細かさを変えるのがポーレックスのやつよりだいぶめんどい。このミルの目玉機能と思われる吸盤による補助は気休め程度ですぐ動いちゃう。直方体の形で握りにくく、単に挽きにくいミルになっちゃってる。とはいえまあ使えるのでいまのいままで使い続けている。
フレンチプレスはドリップと違い、お湯を入れてから時間を計る以外は何も気にせず雑にいれられるので気に入ってたんだけど、ある日廊下のドアを勢いよく締めたらその風圧でビーカーが吹っ飛んで割れてしまった。泣いた。使ってたのはボダムのやつで、ビーカー単品売りもあるから買おうと思ったんだけど、送料が結構高いからいつか店頭で買うことにし、Twitter で見かけて気になってたオートドリッパーを買った。後片付けまで考えるとこれはフレンチプレスよりもさらに楽で、いまもこれを一番多く使ってる。

コーヒーはもちろん美味しいから飲んでるんだけど、それよりも、コーヒーをいれる作業が好きで毎日やっている。
豆を挽くとめちゃくちゃいい匂いするし、一連の作業が 5 分から 10 分ぐらいで終わるので気分転換とか気合入れたいときにちょうどよい。ぼくは非喫煙者だけど、タバコ休憩ってこんな感じなのかな。
幸い今は気ままにコーヒー休憩がとれる、ゆとりある働き方ができているので、そのうち普通のドリッパーも買ってチョロチョロお湯を注いでみたい。いや、新しいミルを買うのが先だな…。

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